ワンワン泣いている生徒への対応

いつもお母さまに連れられてピアノ教室にやってくる4歳の男の子。

 

その日は振替レッスンのため休日だったので、珍しくお父さまと一緒。

 

玄関からもじもじでしたが、お父さまが「じゃあ頑張ってきてね」と言うと泣き始めました。

次第にワンワン泣くようになり私もワタワタ(はしませんでしたが内心)。

 

それでもそれに臆することなく、お父さまは「先生、よろしくお願いします。」と言って預けて行かれました。

 

 

 

 

 

さて、どうしましょう。

 

ワンワン泣いているのです。

 

 

 

「今日お母さんはお家にいるの?」

首をふる「仕事だからぁ」

 

「そうかぁ!だからお父さんなのね。お父さんと一緒で良かったね!」

首をふる

 

「お父さんと一緒は良くなかったの?」

頷く

 

「え、そうなの?いつもはお父さんじゃないから特別で良かったじゃん!」

首をふる

 

「あ、いつもはお母さんだったから、今日もお母さんが良かったの?」

頷く

 

「あ〜そういうことね♪」

そういうことなのか?泣き出したのはピアノ教室に入ってからだよ?その涙はそんな理由ではないのでは?

 

 

 

生徒泣き続ける。

 

 

 

「ピアノやりたくない?」

首をふる

 

あ、そうではないのね。

 

 

 

「ドリルからやる〜?」

...。

 

 

 

 

 

色々な質問をしましたが、

返事をもらっても泣き止むことはありませんでした。

 

 

 

 

 

 

「あ!!!ねーねーこれこれ。やってみない?」

 

 

と、取り出したのが知恵遊びのオモチャ。

たまたま前日に押入れを整理していて見つけたのもでした。

 

 

「え〜何ー?」と、今日イチの声を出してくれて泣き止んだのでホッとしました。

 

 

その後2人で知恵遊びを2度やり、

生徒さんから「終わりにしよう!」が出たので

気を取り直してピアノに向かうことが出来ました。

 

 

 

 

 

 

たぶん、本当のイヤイヤの原因はピアノ曲にありました。

楽譜の最後の曲になり"難しくて自分には出来ない"と思い込んでしまったのです。

そこから3週間粘りに粘って、その日はその曲を丸することが出来ました。

 

 

「半分出来たんだから、次の半分も出来そうだよ?」

「ここは丸もらったんだから、ここも、丸もらえるよ!」

「あ、出来た!じゃあこれは?」

 

どんどん引き込んで進めるしかありません。

半ば強制的に丸をしましたが、本人もこの難関が突破出来てホッとしている様子でした。

お父さんのもとへ晴れやかな気持ちで帰っていくことが出来ました。

 

親御さんにも、ここ3週間の進み具合がイマイチだったのでその旨を説明しました。 

 

 

 

 

本日は長くなりましたが、

 

・泣いている子へのアプローチは

"気をそらすこと"

 

・そしてその後は

"「出来る」とフォローしながら背中を押すこと"

 

必ず、イヤイヤのまま家に返さないことです。

 

 

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ニコニコ先生日記

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